OIVA TOIKKA|オイヴァ・トイッカ|1931-2019|FINLAND
Oiva Toikka(オイヴァ・トイッカ)は、フィンランドのデザイナー、アーティスト、教育者。ヘルシンキの芸術デザイン学校で、Elsa Elenius(エルサ・エレニウス)に師事し陶芸を学びました。1956年に陶芸課程を修了後、Arabia(アラビア)でデザイナーとしてのキャリアを開始し、半年後には芸術部門へ移籍。1957年には、Arabiaと同じWärtsilä(ヴァルチラ)傘下にあったNuutajärvi(ヌータヤルヴィ)でガラスプロダクトもデザインしました。1958年には、ユーモア溢れる力強い動物モチーフの陶芸作品などを発表した初の個展を開催し、フィンランド陶芸に新しい方向性を示したとして高く評価されました。
1959年にArabiaを離れた後は、芸術デザイン学校に戻って美術教員養成課程で学び、その後、複数の学校で教鞭をとりながら、Marimekko(マリメッコ)などでデザイン活動を継続。1963年にNuutajärviのガラスデザイナーに迎えられ、1988年にNuutajärviとIittala(イッタラ)が合併した後も、1996年まで所属デザイナーとして活動。その後は芸術コンサルタントとして、2019年まで制作に関わりました。
プロダクトでは『Kastehelmi』や『Flora』などを、アートガラスでは『Sieppo』をはじめとする鳥のオブジェ、『Lollipop』、『Pom Pom』など、広く知られる作品を数多く生み出しました。また、展覧会などで発表される一点制作のユニークピースでも、量産品とは異なる芸術的な表現を追求しました。
Oiva Toikkaのガラス作品は、デザインやアイデアだけで完結するものではなく、ガラス職人との共同作業を通じて作品へと形づくられました。工房での対話や試行錯誤を重ねながら、職人それぞれの技術や知識を作品に反映させたことも、Toikkaの仕事を特徴づけています。ユニークピースで試みた技術や色彩などの知見は、アートピースだけでなくプロダクトにも応用され、アートとデザインの境界を横断する作品へとつながりました。
ガラスという素材にユーモアや幻想性のある装飾を取り入れ、機能性や合理性を重んじる北欧デザインの潮流とは異なる立ち位置から、偶然性や手仕事の痕跡を生かした造形を追求しました。
活動は陶磁器やガラスにとどまらず、ファブリック、グラフィック、展示デザイン、オペラの舞台美術や衣装など、幅広い分野で活躍。
教育者としても後進の指導に力を注ぎ、ストックホルムのKonstfackやイギリスのUniversity of Sunderlandなど複数の学校で教鞭をとりました。また、Nuutajärviではガラス職人の技術継承にも関わり、1993年に始まったガラス職人養成にも大きく貢献しました。
主な受賞歴に、1970年にLunning Prize、1980年にPro Finlandia Medal、1992年にKaj Franck Design Prize、2001年にPrince Eugen Medalなど受賞歴多数。