"KILTA" VEGETABLE DISH(BLUE) BA
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"KILTA" VEGETABLE DISH(BLUE) BA

"KILTA" VEGETABLE DISH(BLUE) BA

¥7,150
/
税込

Item No. :KFKL441
Designer:Kaj Franck
Maker:Arabia
Size :H:36mm W:96mm D:96mm

Stock 1

Kaj Franck(カイ・フランク)が1951年からデザインに取り組み、1953年にARABIA(アラビア)から販売が始まったBAモデル。当初は8点で構成され、1954年中頃からKILTAシリーズとして展開されていきました。以後、既存モデルや追加アイテムを取り込みながら、1974年まで製造されたKaj Franckを代表するプロダクトのひとつです。

1954年のミラノ・トリエンナーレでは、KILTAを含むARABIAの実用陶磁器で、Kaj Franckは名誉賞を受賞しました。

フィンランド語で『Kilta』は、ギルド(同じ職業や技術を持つ人々の組合)を意味します。KILTAシリーズもまた、BAモデルを中心に、複数のモデルを共通した色調と機能性のもとに結びつけながら展開されました。

KILTAは、戦後のフィンランドにおける住環境や生活様式の変化を背景に生まれたテーブルウェアです。従来のように多くの種類の食器を一式で揃えるディナーセットではなく、共通したデザイン言語を持つ独立した食器を、必要に応じて組み合わせ、他の食器とも調和することを前提にデザインされました。

装飾を施さず、単色の釉薬による仕上げ、幾何学的な基本形をもとにしたフォルム、スタッキング構造、ひとつの器を複数の用途に使えることなど、限られた収納スペースや日常使いに対応する工夫が見られます。また、オーブンから食卓へそのまま出せる実用性も、KILTAの特徴のひとつです。

KILTAの製造終了は需要の低下ではなく、1970年代の陶磁器産業の再編と、ARABIAの生産体制がファイアンスからストーンウェア中心へ移ったことによるものでした。KILTAの理念は、素材やフォルムを見直した1981年発表のTEEMAへ受け継がれ、現在もIITTALA(イッタラ)の定番テーブルウェアとして製造が続いています。

こちらは、おそらく1960年代にKILTAシリーズに追加された小さな角皿。3サイズで展開されたうち、最も小さいサイズ。個体数から短期間のみ製造されたモデルと推測されます。

※使用感さほどなく良い状態です。

KILTAの釉薬には、製造時に生じた小さなスポットが見られる場合があります。後年の使用によるダメージではありません。

KAJ FRANCK|カイ・フランク|1911–1989|FINLAND

Kaj Franck(カイ・フランク)は、20世紀フィンランドのモダンデザインを代表するデザイナーのひとり。中央美術工芸学校でフィンランドデザイン界の重鎮Arttu Brummer(アルットゥ・ブルンメル)のもと、家具デザインを学び、在学中の1930年にはBrummerに率いられた研修旅行でストックホルム博覧会を訪れ、機能主義の新しい潮流に触れました。1932年に卒業後、家具やインテリア、テキスタイル、玩具など幅広い分野で活動し、1934年にはRiihimäen Lasi(リーヒマエン・ラシ)で製図工として短期間働きました。1939年以降は第二次世界大戦の影響により活動が制限されましたが、この時期の経験は、のちの社会性を備えたデザイン思想の形成につながりました。

1945年、ArabiaのアートディレクターであったKurt Ekholm(クルト・エクホルム)に招かれ、Arabia(アラビア)で戦後の日常生活に必要なテーブルウェアの刷新を担いました。Ekholmはこの時、Arabiaで初めてテーブルウェアのデザインを専門に担うデザイナーを起用しており、その最初の担い手となったのがFranckでした。もともと陶芸の訓練を受けていなかったことから、既存のテーブルウェアの慣習にとらわれない新たな視点を持つデザイナーとして起用されたと考えられます。

1946年にはKarhula-Iittala(カルフラ・イッタラ)のコンペで入賞したことを機にIittalaでガラスデザイナーとなります。1950年には、Nuutajärvi(ヌータヤルヴィ)がArabiaと同じWärtsilä(ヴァルチラ)傘下のグループ企業となったことを機に、活動の場をNuutajärviへ移し、ディレクターとしてArabiaと共通理念のガラスウェアのデザインを始めました。

『フィンランドの良心』とも称されたKaj Franckのデザイン思想は、『大衆のためのデザイン』と『デザイナーの社会的責任』という考えに基づいています。シンプルな幾何学フォルムと装飾を排した色彩による表現で、長く使い続けることのできる普遍的なプロダクトを数多くデザインしました。彼にとって美しさとは、"necessary, functional, justified and right"(「必要であり、機能的であり、正当であり、適切であること」)でした。

1950年代にデザインされたArabiaのKILTA(現TEEMA)シリーズやNuutajärviのタンブラー5027(現KARTIO)シリーズは、Kaj Franckの思想を最も端的に示す代表作であり、現在もIittalaで製造が続けられているロングセラーとなっています。特にKILTAは、必要な器を個別に選び、自由に組み合わせて使うという革新的な考え方を提示し、従来の食器セットのあり方を再定義するとともに、その後のモダンテーブルウェアの方向性を示しました。またその一方で、Nuutajärviでは、1970年代を中心に様々な技法を駆使した工芸的アプローチによる芸術性の高いユニークピースのガラス作品も数多く手がけており、そこにはFranckの芸術家としてのもうひとつの側面を見ることができます。

1960年からはヘルシンキの芸術デザイン学校で教育にも携わり、フィンランドのデザイン教育にも大きな影響を与えました。また、その名を冠したKaj Franckデザイン賞が設けられていることからも、その功績と影響の大きさがうかがえます。1954年のミラノ・トリエンナーレでの名誉賞をはじめ、1955年のルニング賞、1957年のミラノ・トリエンナーレでのグランプリ、コンパッソ・ドーロ賞など受賞歴多数。

ARABIA|アラビア|1873–|FINLAND

Arabiaは1873年、ヘルシンキ郊外のアラビア地区にスウェーデンの陶磁器メーカー Rörstrand(ロールストランド)の子会社として設立され、翌1874年に操業を開始しました。1916年にはRörstrandの資本から離れ、フィンランド企業として独立します。1929年には全長112メートルにおよぶ当時世界最大級のトンネル窯が導入され、生産の効率化と大量生産体制が確立されました。これによりArabiaはヨーロッパ有数の陶磁器工場へと発展していきます。

1932年にはKurt Ekholm(クルト・エクホルム)がアートディレクターに就任し、Arabiaにおける芸術活動を芸術部門として組織化。作家のための制作環境を整え、プロダクトとアートピースを並行して発展させる体制を築きました。Arabiaの大きな特徴は、芸術部門、応用芸術部門、プロダクトデザイン部門という三つの分野が相互に関わりながら製品開発を行ってきたことにあります。

芸術部門にはToini Muona(トイニ・ムオナ)、Friedl Kjellberg(フリードル・チェルベリ)、Michael Schilkin(ミカエル・シルキン)、Birger Kaipiainen(ビルガー・カイピアイネン)、Rut Bryk(ルート・ブリュック)、Kyllikki Salmenhaara(キーリッキ・サルメンハーラ)らが参加。その作品は1930年代から国際的な評価を獲得し、Arabiaの文化的側面を担うとともに、フィンランド陶芸の発展に重要な役割を果たしました。1940年代にはFriedl Kjellbergが蛍手の技法を用いたRice Porcelainを開発。1950年から量産が開始され、1974年まで続くロングセラーとなり、Arabiaを代表する芸術磁器として国際的に高い評価を受けました。

Ekholmは1930年代に北欧で広がった機能主義の流れを背景に、1935年にテーブルウェアARシリーズ(SINIVALKO)を発表し、後の北欧モダンデザインの方向性を示しました。1945年にはKaj Franck(カイ・フランク)がデザイナーとして入社し、Kaarina Aho(カーリナ・アホ)やUlla Procopé(ウラ・プロコペ)らとともにプロダクトデザインの刷新を進めました。1953年に発表されたKiltaシリーズは、シンプルな幾何学フォルムと多用途性を特徴とする革新的なモダンデザインのテーブルウェアとして大きな成功を収めました。

Arabiaは1930年代から数多くの受賞歴を誇りますが、特に1950年代のミラノ・トリエンナーレ(1951・1954・1957)では、芸術部門の作家の作品に加えデザイナーによるプロダクトも数多く受賞し、世界的な評価を確立しました。


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