Item No. :SRHP308
Designer:Saara Hopea / Kaj Franck
Maker:Nuutajärvi
Size :H:42mm φ:112mm(BOWL), H:41mm φ:112mm(BOWL), H:17mm W:272mm D:121mm(TRAY)
Saara Hopea(サーラ・ホペア)のガラスボウルとKaj Franck(カイ・フランク)のチークトレイによるプロダクト。
Kaj Franckは、1953年にArabia(アラビア)やNuutajärvi(ヌータヤルヴィ)で、チーク材のパーツを取り入れたプロダクトをデザイン。
1955年には、ジャムジャー1368やデザートボウル1369など、ガラスとチーク材を組み合わせたプロダクトに改めて取り組みました。
その流れの中で、1952年にSaara Hopeaがデザインしていたガラスボウル1367に合わせるチーク材のトレイをデザインし、同年秋にオードブルトレイとして発表されました。
1955年から1965年まで製造。
※目立つダメージなく良い状態です。
Saara Hopea(サーラ・ホペア)は、ガラスを中心に幅広い分野で活躍したフィンランドの女性デザイナー。ヘルシンキの中央美術工芸学校でインテリアを専攻。卒業後は家具デザイナーとしてキャリアをスタートさせ、その後Taito社でPaavo Tynell(パーヴォ・ティネル)のもと製図工として勤務しました。
1951年、Kaj Franck(カイ・フランク)の誘いにより、Taito社に籍を置きつつ、フリーのインテリアデザイナーとしてWärtsilä社(ArabiaとNuutajärviの親会社)のギャラリー/ショールームの家具および空間デザインを手がけました。その卓越した仕事ぶりが評価され、1952年にNuutajärviのデザイナーに抜擢されました。
Kaj Franckとともに、戦後の新たな生活のための必需品をデザインするという共通理念のもと、数多くのプロダクトやアートピースを手がけました。さらに、パッケージやロゴ、展示空間、Arabiaでのエナメル製品のデザインなど、その活動は多岐にわたります。Nuutajärviの魚のトレードマークでは、Kaj Franckのラフスケッチをもとに最終図案を担当し、また、パッケージデザインでも高い評価を受けました。
1959年に父の工房を継ぐこととなりNuutajärviを去りますが、7年という短い在籍期間にもかかわらず、ガラスデザイナーとしての功績は高く評価されています。
1959年より金細工工房Ossian Hopeaにてジュエリーデザインを手がけ、1960年の結婚後は夫とともにニューヨークへ移り、エナメル細工のデザインにも取り組みました。その後、1963年からネパールやインドで暮らし、テキスタイルなどのデザインを行いました。1967年にフィンランドへ帰国し、1982年までジュエリーデザインを続けました。ジュエリーもまた、彼女にとって重要な活動のひとつとなりました。
綿密な図面に裏打ちされた合理的なデザイン力と洗練された色彩感覚、そして幅広い領域にわたって発揮された卓越したセンスは、Saara Hopeaの仕事を一貫して特徴づけるものです。
1954年と1957年には、ミラノ・トリエンナーレでシルバーメダルを受賞。
Kaj Franck(カイ・フランク)は、20世紀フィンランドのモダンデザインを代表するデザイナーのひとり。中央美術工芸学校でフィンランドデザイン界の重鎮Arttu Brummer(アルットゥ・ブルンメル)のもと、家具デザインを学び、在学中の1930年にはBrummerに率いられた研修旅行でストックホルム博覧会を訪れ、機能主義の新しい潮流に触れました。1932年に卒業後、家具やインテリア、テキスタイル、玩具など幅広い分野で活動し、1934年にはRiihimäen Lasi(リーヒマエン・ラシ)で製図工として短期間働きました。1939年以降は第二次世界大戦の影響により活動が制限されましたが、この時期の経験は、のちの社会性を備えたデザイン思想の形成につながりました。
1945年、ArabiaのアートディレクターであったKurt Ekholm(クルト・エクホルム)に招かれ、Arabia(アラビア)で戦後の日常生活に必要なテーブルウェアの刷新を担いました。Ekholmはこの時、Arabiaで初めてテーブルウェアのデザインを専門に担うデザイナーを起用しており、その最初の担い手となったのがFranckでした。もともと陶芸の訓練を受けていなかったことから、既存のテーブルウェアの慣習にとらわれない新たな視点を持つデザイナーとして起用されたと考えられます。
1946年にはKarhula-Iittala(カルフラ・イッタラ)のコンペで入賞したことを機にIittalaでガラスデザイナーとなります。1950年には、Nuutajärvi(ヌータヤルヴィ)がArabiaと同じWärtsilä(ヴァルチラ)傘下のグループ企業となったことを機に、活動の場をNuutajärviへ移し、ディレクターとしてArabiaと共通理念のガラスウェアのデザインを始めました。
『フィンランドの良心』とも称されたKaj Franckのデザイン思想は、『大衆のためのデザイン』と『デザイナーの社会的責任』という考えに基づいています。シンプルな幾何学フォルムと装飾を排した色彩による表現で、長く使い続けることのできる普遍的なプロダクトを数多くデザインしました。彼にとって美しさとは、"necessary, functional, justified and right"(「必要であり、機能的であり、正当であり、適切であること」)でした。
1950年代にデザインされたArabiaのKILTA(現TEEMA)シリーズやNuutajärviのタンブラー5027(現KARTIO)シリーズは、Kaj Franckの思想を最も端的に示す代表作であり、現在もIittalaで製造が続けられているロングセラーとなっています。特にKILTAは、必要な器を個別に選び、自由に組み合わせて使うという革新的な考え方を提示し、従来の食器セットのあり方を再定義するとともに、その後のモダンテーブルウェアの方向性を示しました。またその一方で、Nuutajärviでは、1970年代を中心に様々な技法を駆使した工芸的アプローチによる芸術性の高いユニークピースのガラス作品も数多く手がけており、そこにはFranckの芸術家としてのもうひとつの側面を見ることができます。
1960年からはヘルシンキの芸術デザイン学校で教育にも携わり、フィンランドのデザイン教育にも大きな影響を与えました。また、その名を冠したKaj Franckデザイン賞が設けられていることからも、その功績と影響の大きさがうかがえます。1954年のミラノ・トリエンナーレでの名誉賞をはじめ、1955年のルニング賞、1957年のミラノ・トリエンナーレでのグランプリ、コンパッソ・ドーロ賞など受賞歴多数。
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