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¥99,000
/
税込

Item No. :FMLC008
Designer:Francesca Mascitti-Lindh
Maker:Arabia
Size :H:182mm φ:105mm

Stock 1

Francesca Mascitti-Lindh(フランセスカ・マスシッチ・リンド)によってARABIA(アラビア)の芸術部門在籍時に制作された花器。

シャモットを混ぜた粗い土を用いてろくろで成形され、轆轤目が残る円柱状の器に、上・中・下部に張り出しを設けた造形が特徴的な作品です。

珍しい鮮やかなレモンイエローの釉薬をメインに、部分的に白の釉薬、下部には茶褐色、その縁には黒の釉薬が施されています。粗い土の表面に複数の釉薬がラフに重なり、焼成によって現れた黒褐色の斑点がアクセントとなるとともに、下部の茶褐色と黒の釉薬がレモンイエローや白とのコントラストを生み、全体の印象を引き締めています。

1959年末に開催された夫Richard Lindh(リカルド・リンド)との展示で同様の意匠をもった作品が出品されており、こちらも同時期の作品と推測されます。

底面には手書きで『ARABIA FML』。

※目立つダメージなく良い状態です。

FRANCESCA MASCITTI-LINDH|フランセスカ・マスシッチ・リンド|1931–|FINLAND

Francesca Mascitti-Lindh(フランセスカ・マスシッチ・リンド)は、1931年にイタリア人の父とフィンランド人の母のもとに生まれました。 1946年からローマのアートスクールで2年間学んだ後にフィンランドへ移住します。

その後すぐにArabiaでOlga Osol(オルガ・オソル)、Michael Schilkin(ミカエル・シルキン)、Kaj Franck(カイ・フランク)のもとで見習いとして過ごし、1949年から1953年まで美術デザイン学校で陶芸を学びました。

この学校で後に夫となるRichard Lindh(リカルド・リンド)と出会い、卒業後の1953年に二人でヘルシンキに小さなスタジオを設立。主に実用的な陶器の制作を行いました。

いくつかの展示に出展した作品がWärtsiläグループ(Arabiaの親会社)の社長の目に留まり、1955年からArabiaの美術部門で働くこととなり、1989年まで34年間在籍しました。

Arabia退職後も自身のアトリエで制作活動を続け、90歳となる2021年に新たに陶芸窯を導入するなど現在も精力的に作品制作を行っています。

イタリアとフィンランドという二つのデザイン文化にルーツを持ち、様々な技法や素材を駆使した独創的な作品を数多く残しています。彼女の作品の多くはアートピースですが、唯一のプロダクトとしてイタリアのGinoriでテーブルウェアをデザインしています。

ARABIA|アラビア|1873 –|FINLAND

Arabiaは1873年、ヘルシンキ郊外のアラビア地区にスウェーデンの陶磁器メーカー Rörstrand(ロールストランド)の子会社として設立され、翌1874年に操業を開始しました。 1916年にはRörstrandの資本から離れ、フィンランド企業として独立します。

1929年には全長112メートルにおよぶ当時世界最大級のトンネル窯が導入され、 生産の効率化と大量生産体制が確立されました。 これによりArabiaはヨーロッパ有数の陶磁器工場へと発展していきます。

1932年にはKurt Ekholm(クルト・エクホルム)がアートディレクターに就任し、 Arabiaにおける芸術活動を芸術部門として組織化。 作家のための制作環境を整え、プロダクトとアートピースを並行して発展させる体制を築きました。

Arabiaの大きな特徴は、芸術部門、応用芸術部門、プロダクトデザイン部門という 三つの分野が相互に関わりながら製品開発を行ってきたことにあります。

芸術部門にはToini Muona(トイニ・ムオナ)、Friedl Kjellberg(フリードル・チェルベリ)、 Michael Schilkin(ミカエル・シルキン)、Birger Kaipiainen(ビルガー・カイピアイネン)、 Rut Bryk(ルート・ブリュック)、Kyllikki Salmenhaara(キーリッキ・サルメンハーラ)らが参加。 その作品は1930年代から国際的な評価を獲得し、Arabiaの文化的側面を担うとともに、 フィンランド陶芸の発展に重要な役割を果たしました。

1940年代にはFriedl Kjellbergが蛍手の技法を用いたRice Porcelainを開発。 1950年から量産が開始され、1974年まで続くロングセラーとなり、 Arabiaを代表する芸術磁器として国際的に高い評価を受けました。

Ekholmは1930年代に北欧で広がった機能主義の流れを背景に、 1935年にテーブルウェアARシリーズ(SINIVALKO)を発表し、 後の北欧モダンデザインの方向性を示しました。

1945年にはKaj Franck(カイ・フランク)がデザイナーとして入社し、 Kaarina Aho(カーリナ・アホ)やUlla Procopé(ウラ・プロコペ)らとともに プロダクトデザインの刷新を進めました。 1953年に発表されたKiltaシリーズは、シンプルな幾何学フォルムと多用途性を特徴とする 革新的なモダンデザインのテーブルウェアとして大きな成功を収めました。

Arabiaは1930年代から数多くの受賞歴を誇りますが、特に1950年代の ミラノ・トリエンナーレ(1951・1954・1957)では、 芸術部門の作家の作品に加えデザイナーによるプロダクトも数多く受賞し、 世界的な評価を確立しました。


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